残り時間で何を学習するべきかは人それぞれ
7月の最終の土日が終わりますと、各資格スクールの模擬試験は概ね終了を迎えます。本試験まで残り1か月を切り、スクールの講義も残りわずかとなったここからが、まさに自分主体で学習を計画的に進めていかなければならない時期です。
自分主体での学習となると、「残り1か月弱のこの短い期間に一体何を学習すればよいのか?」と迷う方が多くなります。やるべきことは途方もなく多いが、今から全科目のテキストを読み返したり、過去問集をもう1回転させる時間はないというわけです。
この質問への回答としては、正直なところ、全ての方に適した教材や学習法というものはありません。
★ 取り組んできた教材の内容、数、使い方
★ 科目や分野ごとの得意・不得意
★ 仕事や家庭生活との兼ね合い(ライフスタイル)
★ 今年度受験に対するスタンス (絶対合格?できれば合格?とりあえず受験?)
などが、個人によって千差万別だからです。
しかし、何を学習するべきか?を考える前に、全ての方に必ずやっていただきたいことがあります。それは、本試験までに残された期間のなかで、学習に充てることのできる物理的な時間を概算で算出することです。
学習時間の概算からやるべきことが見えてくる
例えば、8月1日から試験日の前日までに、合計何時間の学習時間が確保できるのかを大まかに計算してみます。
仮に、平日に3日間のお盆休み、土日に7日間の休みが取れて、他の日はフルタイム労働という例で考えます。学習見込み時間の計算は無理のない時間とします。
睡眠時間、家事や育児に要する時間、お風呂や食事などの生活に必要な時間、残業時間、家族と過ごす時間、お盆関連の時間(墓参り、親戚付き合い、同窓会など)、趣味の時間などを控除した時間を学習時間に充てると考えて、これを日ごとに洗い出します。
平日はどう頑張っても2時間程度、お盆休みのうち2日間は9時間の学習時間が取れそうだが、1日は終日無理。土曜日は6時間程度、日曜日は9時間は確保できるはず…といった具合です。
この方の場合、試験日までに確保できる学習時間は合計で約100時間です。この時間を10科目ある試験科目に均等に割り当てるとしたならば、1科目あたりに割くことのできる時間は最大でも10時間となります。
どの教材を選ぶにしても、どの科目に取り組むにしても、問題を解くにしても、単に教材に目を通すだけにしても、つまり、何にどう取り組んでも、これから先の学習時間の累計が計算上の時間に達したときにはもう試験当日です。それ以上の対策はできません。
この物理的な”時間”という現実を、具体的な数値でもって8月の学習に入る前に予め把握しておくことこそが、今何をすべきか?を考える第1歩になります。
頑張り方の違いが合否を分ける
最後は一心不乱に学習を頑張ったのだけれども、残念ながらやろうと決めたことが志半ばで試験日当日を迎えてしまったということでは、合格という成功率5%程度のミッションを完遂させることはできません。
今年度での合格を本気で目指す受験生であれば、超直前期は誰もが一心不乱に頑張ります。その頑張りの度合いでは差はつきません。問題は頑張るその内容、すなわち頑張り方の違いにあります。
この時期の学習として何を行えば良いのかの方針については、Chapter 2の「最終暗記事項をリストアップする」の項で述べます。
試験日が近づいてくると、「絶対に受かりたい」という言葉とは裏腹に、その為の「絶対的な努力」が最後までできない方が日増しに増えてきます。
控えめで謙虚な人柄が顔をのぞかせることによって、これまでの努力を中断してしまうのは勿体ないことです。
弱い気持ちになる自分に打ち克ちましょう。
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