年末年始頼みの過剰な内容にしないことを大前提に
資格スクールの講義が休みとなる年末年始は、とても良い自己学習の機会になります。それまでの遅れがちであった学習が、ここでまとまって取れる時間によって、予定に何とか追いつくことができるという貴重な機会。
この年末年始の学習計画を事前に立てておくことは非常に大切なことなのですが、この際に1つ気を付けていただきたい点があります。
それがどのような点かということを申し上げる前に、まずは、大まかで結構ですので、この期間にやろうと考えている学習内容を頭の中でリストアップしてみてください。
例えば、労基法の1度間違えた過去問だけを解き直すこと、安衛法のテキスト本文を一読すること、労災法の過去問でまだ解いていないものを解くこと、などといった具合です。
このときに計画に盛り込む内容は、この時期に必ずこなさなければならないと考えるもので、かつ、自分に与えられた時間の中で消化できそうな分量のものであることが大切です。これは、気を付けたい点というよりは、むしろ当然のことです。
尚、何をこの時期に学習すれば良いか?という点については、Chapter 1 時期別/科目別学習戦略「年末年始は先の学習を見据えた復習を行う」の項をご参照ください。
ポイントは2セット化、達成感の得られる計画に
計画を立てる際に気を付けていただきたい点というのは、1度立てた学習計画を大きく2つに分けて2セットの計画とすることです。
つまり、上の例で言えば、労基法と労災法の過去問はそれぞれを1問飛ばしで解き、安衛法のテキストは章や項を1つおきに読み、これを1セットとします。これが終わった後に、残りの過去問演習とテキスト読みを2セット目として行います。
受験生の方に多い失敗は、年末年始の学習計画に壮大なプランのものを立ててしまうことにあります。
例えば、仮に9連休であるならば、9日目の夜に全体の予定が終了するような計画を、事前に意気込み良く立ててしまうのです。そして、休みに入ってからの事後的な要因によって計画の実行が難しいものとなったときに一気に崩れてしまう、というのがよくあるパターンです。
年末年始ムードの開放感の中で、体が怠けてくる、学習モチベーションが下がってくるということはよくあります。ですので、そうした場合であっても「粗々でも全体を一応は学習した」という成果を上げるために、最初から計画の半分(1セット)を当面の目標とするのです。
この計画であれば、仮に2セット目が完遂できないままに仕事始めの日を迎えたとしても、「全然進まなかった…」という劣等感や自己嫌悪感に引きずられたスタートとなることなく、一定の達成感を持って始動することができます。
年明けからまた新たな科目の学習に入るに当たり、年末年始の学習で一定の達成感を得た状態のままに臨むということは、殊の外重要です。
200%の計画を立てて150%の達成度で終わることよりも、50%の計画を立てて80%の達成度に終わることの方が、受験生活上のメンタル面では遥かにプラスに働きます。
膨大な計画を立てすぎず、計画の半分を最低限の目標とする。年末年始の学習計画を立てる際には、この点にぜひ注意してください。
計画を立てた次は、「年末年始に学習時間をどうやって確保するか?」ということですが、これについては別の項で述べたいと思います。
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