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ハナズオウ(大)

○問に対しては意識的なアプローチが必要

の項に引き続き、過去問を通して論点を汲み取ることの意義を考えていきます。

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次の問題も同じく、労働基準法の択一式試験の過去問からです。

労働基準法 平成25年度 問6-C
使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を、書面の交付により明示しなければならない。

の項では、×問の問題文で誤りの表現として用いられた記述が、単に創作されたものではなく、他の科目や分野の類似項目から引用されたものである可能性に留意して関連の論点を考えるべきであることを述べました。事実、こうした論点は他の科目においても頻出事項になっています。

しかし、ここに挙げた問題の正解は○です。このような○問を学習する際には、過去問へのアプローチに特に注意が必要です。

過去問題集の解答・解説の中には、問題の関連事項に触れている詳細なものも確かにありますが、こうした○問の場合には「条文の通りである(第△条)」などと簡素な説明に終わっているものが少なくありません。

○問に対し、これは正しい記述なのだなと単に読んで納得するだけでは、本試験で出題される初見の問題への備えにはなりません。だからこそ、問題文をテキストの該当ページと照らし合わせて、今後の出題論点となりそうな事項を、問題文の中から汲み取ろうとする取り組みが必要になります。

では、この問題からはどのような論点を汲み取ることができそうでしょうか?練習の一環として、ここから先の記述を読むことを一旦止めて、ぼんやりとで良いですから少し考えてみてください。


縦回転ではなく横移動の学習を心がける

一例を挙げますと、まず労働基準法施行規則第5条に書かれている、労働条件の明示事項に他に何があるかをテキストで確認することが第1です。そうすると、多くの方は就業規則の必要記載事項との比較が十分に理解できていないことに思い至るでしょうから、今度はすぐにその点を確認します。

ある程度の得点力を備えた受験経験者の方であれば、労働条件の明示事項との関連では、パートタイム・有期雇用労働法にも特徴的な明示事項があったことに考えが及ぶことと思います。

また、″期間の定めのある労働契約”や″期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるもの”というフレーズから労働契約法や雇用保険法を思い浮かべることは、10科目の学習を一通り終えたばかりの方にとってもそう困難なものではないでしょう。

この問題文の労働者が契約の更新を希望したにもかかわらず離職した場合は、一般の受給資格者、特定受給資格者、特定理由離職者のいずれに該当するでしょうか?

こういった関連事項について、自分の知識が不確かであるならばそれをすぐに確認するということが○問の学習効果を高めることになります。

そして、このような学習を日頃から心がけていることによって、形を変えて次に出題される問題に対しても落ち着いて対応ができるようになります。

過去問やテキストの学習の仕方は、1科目を通して行う「縦の学習」だけではありません。ここに挙げた「横の学習」を行うことで論点を汲み取るということを、自己学習ではぜひ意識するようにしてください。

 


140字の合格言

試験では1つのテーマを科目横断的にみた5肢択一問題は出題されません。
ですが、日頃から科目横断的にみる学習の仕方は、種々の雑多な知識にリンクを張るという記憶の強化の点で有効です。
リンク張りは専用教材等によらずとも既存の教材の反復によって可能であり、その体系は最後に急速に形成されます。


140字の合格言

肢別過去問題集の学習では、時間を気にすることなく難解な内容を理解しよう、不足している知識を吸収しようとしがちになります。
しかし、試験では制限時間があり、また、失点しても良い問題や正誤の判断のつかない肢があっても得点のできる問題が多くあります。
過去問にも重要度の違いがあります。

 

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