カルミヤ(大)

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論点を汲み取る目を持つということ

過去問学習では解く年数や正答率、繰り返す回数に拘るのではなく、過去問を素材と考え今後の出題に備えて汎用性のある論点を汲み取ることに注力するべきです。(⇒参照:「過去問学習は未来問を考える発想で」「過去問は何年分をこなせば良いのか?」「過去問正答率の目標をどこに置くか?」)

こうした観点に立った上でこの論点を汲み取るということの意義を、㊤との項の2回で具体例を挙げながら説明したいと思います。

次の問題は労働基準法の択一式試験の過去問です。

労働基準法 平成26年度 問1-E
労働基準法にいう「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいうと定義されている。

労働基準法における使用者の定義は、第10条で

この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。

と定義づけられていることから、ここでの使用者の定義の記述は誤りということになります。

通常の学習ならば、この問題の正誤と使用者の定義をテキストで確認して終わりとなるのですが、ここでもう1歩踏み込んで考えてみましょう。

問題文で誤りの表現として用いられた″その使用する労働者に対して賃金を払う者”という記述を見て、これを使用者の定義とする法律が他になかったか?と考えることが重要です。

この定義は労働契約法のものです(第2条第2項)。こうした違いがあるからこそ、出題者はダミーとなる選択肢の誤り部分にこの表現を用いるわけです。

このように、ダミー選択肢で用いられる誤りの表現は、単に作問者の創作によるフレーズというよりはむしろ、他に存在する類似の規定から借用してきたフレーズであるということがよくあります。

だからこそ、本試験において「どこかで見たことがある表現なのだけれども、これが正しいかどうかは判断がつかない」という曖昧な記憶のままでは、容易に失点を重ねてしまうのです。

「わかっていたはずなのに間違えてしまった」という反省の弁を口にする受験生は多いですが、それは違います。この論点を汲み取ることが不足しており、結果としてわかっていなかったから失点したのです。

したがって、受験生はこの科目間の定義の違いは論点になるものなのだという認識を持って、日頃のテキスト学習から意識的にこれを汲み取る努力を行う必要があります。


少しの心がけを面倒臭がってはいけない

10科目の学習を一通り終えた後であるならば、他にも気になる点が出てくるはずです。先の過去問の例で言えば「最低賃金法における使用者の定義はどうだったか?」「労働安全衛生法ではどうか?」「逆に労働者の定義とは何だろう?」という関連事項です。

これらの個々の内容説明は割愛しますが、こうした点を面倒臭がらずに少しでも気にかけてテキストで確かめることで、使用者の定義の違いや使用者と事業者の違いといった論点が記憶として強く印象付けられるようになります。

また、たった1肢の過去問からも多くのものを汲み取ることができ、これが未来の出題に対する備えになります。

この方法は一見遅々として効率が悪いようにも見えますが、テキストの目次や索引を使えば驚くほど短い時間で済むものです。ほんの少しの努力を厭わないようにしましょう。

の項に続きます。

 


140字の合格言

現在の社労士受験対策においては、事例や過去未出題の事項を多く含む初見の長い文章を読んでその内容を汲み取り、正誤の判断をつけていく処理能力とそのテクニックを実践演習を通じて身につけていくことが求められています。
ただし、その前提となる過去問やテキストの重要性には変わりがありません。


140字の合格言

テキストに記載されている内容、つまり発展学習期に入る前の段階で見たことのある知識だけで合格点は十分に取れます。
本試験当日の問題も含め、その後に初めて出くわす知識は合否の結果に影響を与えるものではありません。
受験歴や使用ツールの違いに関係なく、既存の知識の練度を高めることが大切です。

 

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