学習継続を妨げる2つの大きな理由
社労士試験はその難しさと試験問題の性質から、合格するには瞬間風速的な集中学習に頼らない一定期間の継続的な学習が必要になります。
そして、その学習の継続を困難なものとする理由に、1つは学習時間の確保の問題があります。合格に必要な学習時間を確保できないことを理由に途中で受験を断念することなく、試験日までに学習を継続することが可能か否か?この事前の検討が必要になります。
学習の継続を困難なものとするもう1つの大きな理由は、モチベーションの問題です。では、ここであなたにお聞きします。あなたはなぜ社労士試験を受けるのですか?
絶対的に必要なものは「極私的」受験動機
「自分は・・・・・・の理由で社労士試験を受験するのです。」
このように人にハッキリと説明できるだけの理由が、あなたにはあるでしょうか?趣味として学習を始める場合は別にして、本気で試験に合格したいと願うあなたならば、この明確な理由を持つことが必要です。
明確な理由なき学習は、往々にして中途でのモチベーションの低下を招きます。そうして学習の半ばで挫折する人を私はこれまでに何人も見てきました。
10か月間(仮定)という学習期間は、短いようでいて実は非常に長い期間です。ダイエットにせよ、筋力トレーニングにせよ、10か月継続することは容易ではありません。
新しく仕事に就いた人も、10か月が過ぎればある程度は仕事に慣れてきます。恋愛も、付き合って10か月も経てば最初の頃の感覚は変わってくるものです。10か月というのはそれほどに長い期間です。
この長い期間をコツコツと継続して、しかも尻上がりにテンションが高まっていくような(=学習時間が伸びていくような)受験生活を送る。そのためには、途中で挫折しない強烈な「私的」受験動機が不可欠なのです。
受験動機は私的なもので構いません。
「今の仕事を辞めて独立開業したい」
「資格を武器にキャリアアップを図りたい」
「法律に詳しいとなんとなく恰好よさそう」
「とにかく資格というものを多く持ちたい」
反社会的、倫理的に問題のある理由でなければ何でも構わないと思います。ただし、それは10か月間という長期の学習を高いモチベーションを保ったままムラなく継続できるだけの強烈な理由でなければなりません。
その強烈な「私的」受験動機が合格したいあなたに見い出せないならば、来年の受験は回避した方が賢明です。ムラのある学習では合格率が10%を軽く切るこの試験に受かることはない、ということは銘記しておきましょう。。
合格が全てではないとは言えど・・・
社労士試験の準備には多大な時間と労力、そして一定の金銭的負担を伴います。
趣味ではなく、合格を目的に受験を開始された方が途中で頓挫した場合には、学習によって得られるものと比較して犠牲となるものがあまりにも大きいです。
「勉強に中途半端に費やした時間は、子どもと遊びに連れていくことに使った方が良かったな。」
「受講料と教材費だけで何回飲みに行けただろう?ちょっとした国内旅行ぐらいは行けた金額だな。」
このような後悔は絶対にしていただきたくありません。また、受験の挫折感を引きずったまま、その後の生活を送ることは絶対に避けなければなりません。
このようなことから、私は学習を開始する前に社労士試験の受験動機を明確にすることを受験生の方に強く求めます。
資格受験が単なる現状への不満からの逃避手段やセラピーとしての余白利用に終わらず、自分の今を変えたいという前向きで真摯な思いから選択されたものであるならば、その選択は必ず人生を豊かにします。
この思いは強い動機になります。
中途の挫折感や敗北感などは、その思いの前では単なる一過程です。
ネガティブパワーは試験合格への大きなモチベーションになります。
「試験に合格して、周囲からの評価を変えてやりたいんだ。見返してやりたいんだ。」
今の悔しさや腹立たしさを最後まで忘れずに、このパワーを学習に向けましょう。
ネガティブは行動に移してこそ、現状を変える力になります。
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