テキスト・過去問題集は必ず最新年度のものを購入する
受験生の中には資格スクール等の受験機関によらず、市販の書籍を基にしての独学で社労士試験合格を目指そうという方も少なからずいらっしゃいます。そこで、ここではこうした独学の受験生が市販のテキスト・過去問題集等を選ぶ際の注意点について、㊤と㊦の2回に分けて述べたいと思います。
まず、学習を始めるにあたって揃える書籍の刊行年度についてです。
よく、受験生活が複数年に及んでいる方や、できるだけ資格取得にかかる費用を安価に抑えたいという方に、「毎年教材を買い替えるのも勿体ないので、前年のものをそのまま加工して使う」、「中古教材を書店やネットで購入して使う」という方がいらっしゃいます。
ですが、これは絶対に止めてください。
生活関連法規である労働・社会保険諸法令が試験科目となる社労士試験は、他の国家試験と比較して学習する法令等の改正が非常に多い試験です。
その改正の多さは、たとえ毎年刊行される最新版の教材を購入したとしても、その刊行日から試験日までの間に、その記載内容の一部にさらに改正が入ってくるくらいです。
こうした法改正事項については手元の教材を修正して使用(理解⇒記憶)する必要があるところ、これを前年のものを使って行うことは、その労苦を考えた場合に明らかに経済性の利点よりも学習効率の悪さの方が勝ります。
したがって、テキスト・過去問題集は必ず最新年度のものを購入するようにしてください。
最低限必要な教材のみを1冊ずつ揃えていく
次に揃えるべき教材の種類とその揃える時期についてです。
10科目を順に学習していく基礎学習期において最低限揃えておくべきものは、テキストと過去問題集です。受験六法や練習問題集などは特に必要ありません。
これは10科目の学習を一通り終えてからの発展学習期でも同じなのですが、独学者の方は最初から手元に置く教材の数を増やしすぎないようにすることが重要です。
社労士受験関係の書籍の多くは、例年8月の本試験が終わった直後から、その年に出題された本試験問題やその時点での最新法令を含めての改訂が為されます。
資格スクールが出版元の書籍の場合、翌年度受験向けのものは、その講座の進行に合わせる形で概ね9月~翌年5月頃にかけて順次刊行されます。
ですので、自身の学習の進行に合わせて、その時点での最新の年度版のものを少しずつ揃えるようにしてください。最初から1度に全科目分を揃える必要性はありません(いわゆる一冊本は除きます)。
また、発展学習期から直前期にかけては、先のテキストと過去問題集に加えて、最低限でも法改正と統計・白書対策のテキスト・練習問題集は揃えるようにしてください。
独学者にとって重要な教材選択
近年は受験用書籍の充実ぶりがめざましく、テキスト1つを取ってみても実に多くのものがあります。科目ごとの分冊になっている細かな情報まで網羅されたもの、全科目が1冊にまとまった1000ページを超えるもの、講義CDが付属しているもの、カラー多色刷りになっているものなど様々です。
可能であるならば、大きめの書店に行って実際に本を手に取って見比べてみることが、自分に合った教材を選ぶ上での一番の判断材料になります。
どの本を選ぶかという点は非常に重要な点ですので、これについては㊦の項で改めて述べたいと思います。
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