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オキザリス(大)

複数科目を同時に進めていくことのできない理由

Chapter 1の「基礎学習期にも記憶の保守点検を行う」の項では、資格スクールで1つの科目の講義が終了して次の科目の講義に移った後も、終了した科目の復習を少しずつでも行うことが大切だと述べました。

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ここではその際の具体的な復習の方法についても述べていますが、受験生の中には”同時に複数の科目を回していく”ということがうまくできないという方が多いようです。その理由には、復習の要領がうまく掴めない、あれこれと考えて学習することが面倒くさいなど様々なものがあります。

しかし、最も多くの受験生が挙げる理由は、新規科目の講義に付いていくことすらできていないので、既習科目の復習などには手が回らないというものです。


新規の学習に上書き保存される既習の学習

仮に、スクールで10科目の基礎講義が行われる期間を10月から3月までの半年間とした場合、受験生は講義の進行に並行して過去問を解いたりテキストを読んだりといった新規の学習に追われることになります。

では、このときに「講義に付いていけている」という感覚を持てるようになるには、一体どれくらいの時間・分量を学習すれば良いのでしょうか?

学習時間を多く取れない方は、次回の講義日までに既習範囲の過去問をこなすだけで精一杯でしょうから、到底そのような感覚は持てないでしょう。

また、比較的学習時間の取れる方であっても、内容の理解度が十分でなかったりテキストの熟読が未済であったりなど、やはりその感覚は持てないという方が大多数です。

つまり、次々と内容が変わっていく新規の学習では、どれだけ時間を重ねてもこれで十分という満足感を覚えることはないのです。

満足感がないので、基礎学習期の半年間は講義に付いていこうと追いかける学習に終始することとなり、来し方を振り返る学習をしなくなります。

振り返る学習に着手するのは4月に入り、講義が直前対策としての答練や模擬試験、総まとめ講座に移ってからです。ここで今度は、この答練等を解けるようになろうと急速に振り返る学習を始めることになるというのが多くの受験生のパターンです。

しかし、振り返るべき内容の多さから、これをうまく進めていくことができません。試験日までは残り3~4か月。これではあまりにも時間が足りません。


振り返る学習の固め打ちは時間的に無理がある

基礎学習期に「既習科目の復習に割く時間がない」と考える方は、ではその復習をいつ行うのか?という点を考えてみてください。

単純計算で試験までの残り期間が4か月とした場合、1科目あたりに割くことのできる学習期間は12日間ということになります。しかし、実際はもっと少ないです。

法改正や統計・白書対策、模擬試験に時間を割かれる日や、仕事の都合などで学習のできない日を考慮すると、1科目に充てられる時間はせいぜいで10日間でしょう。

ゴールデンウィーク直前からの4か月間に、1科目を10日間で仕上げることはできるでしょうか?国民年金法と厚生年金保険法を併せて、20日間の学習だけで7割の得点ができるようになるでしょうか?

このように考えると、発展学習期に入ってからの振り返る学習に過大な期待はできないとわかります。

追いかけられないから振り返られないという理屈は根本が違います。追いかける学習と振り返る学習は、車の両輪として行っていかなければなりません。

 


140字の合格言

健保・国年・厚年の3科目にかかりっきりになってしまうのが1月〜3月です。
受験の全体戦略で見ると、実は労働科目の知識が失われることの損失面が大きく、ここに注意を払うべき時期と言えます。
1日に過去問1肢でもテキスト1ページの太字拾い読みでもいいです。
労働科目にも少し目を向けましょう。


140字の合格言

受験経験者の方だけが取ることのできる学習方法が、昨年のテキストから今年のテキストへの転記です。
転記する内容の絞り込みと簡略化した内容の書き込みは一度に行うのではなく、学習の進捗に合わせて行います。
こうすることで、追いかける学習は単なる作業ではない要点を振り返る学習に変わります。

 

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