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八重桜(大)

模試の問題はインプットツールの1つ

ここでは、模擬試験や市販の模試本(以下では模試とします)をツールとして利用する際の注意点について述べたいと思います。

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一般的に、受験生は模試の結果を「本試験での得点を占う指標」として捉える傾向にあります。そこで最初に、択一式で45点、選択式で30点などと得点目標を立て、時には模試対策の学習を積んでから試験に臨みます。

そして、得点が目標点に大きく届かなかった場合には落ち込み、想定外に高かった場合には頬を緩めることとなります。

まずこの点ですが、資格スクール等の受験機関が作成する模試を本試験の行方を左右するものと考えて、結果に一喜一憂することは学習の本質からズレています。こうした方の多くは、模試を本番疑似のアウトプット訓練の場であると考えていますが、こと出題される問題の知識の面だけで考えればこれは違います。

いかに本番を模した形態のものではあっても、模試の問題はインプットツールにすぎません。アウトプットは本試験の1回のみで、それ以外の過去問や答練、模試などは全て、重要論点を体の中に入れるためのインプットツールです。

インプットツールなのですから、得点結果は大きな問題ではないのです。


模試の持つ性格を踏まえた受験後の注意点

スクールの作成する模試は、本試験と同等の比重で、過去問からの逸脱問題やテキストに載っていない難問をあえて入れてきます。

また、高い受験料を集めていることからも、容易に合格点の取れる″つまらない”問題を出題するわけにはいきません。そうした問題は、本試験が難化した場合に、あの模試は本試験に対応できていないとの批判を免れないからです。

逆に、レベルの高い良問揃いであるなどとベテラン受験生からも評価される有料教材である必要があります。そこには出題者の、深みのある問題を出題しようとの意図も働くでしょう。

こうした要素が合わさって、模試の問題は一般的に難しいものとなります。

模試がこのような性格を帯びたものであることを認識した上で、その受験後に注意すべき点は、問題を選択肢単位で見て「これは今までに学習した内容からの出題か?」とチェックすることです。

解答・解説集にテキストの参照ページが付されていない過去問逸脱問題や難問は、復習に時間をかける必要はありません。

逆に、これまでに学習した内容から出題された問題については、これを自身の正答・誤答の別に関わらず、インプットとして解説冊子を読み込むことが必要です。これは、既習内容で模試に出題される論点が非常に重要なものであるからです。

さらに、もう1つ重要な注意点があります。それは、模試の復習をできるだけ早期に、できれば翌日までに行うことです。

日中の時間をほぼ使って行われる模試の直後に復習を行うことは、確かに大変な負担になります。しかし、問題を解いた直後の時間ならばまだ問題文の記憶が強く残っていることから、実は復習には多くの時間がかからないのです。(上述の解説冊子の読み込みについては後日に行っても結構です。)

数日が経ってから、成績表が返却されてからの復習ではこのようなわけにはいきません。インプットの二度手間を避ける時間効率の点から、復習は直ちに行いましょう。

最後に、成績表についてですが、ここまでの説明で合否判定や順位は問題ではないことはおわかりいただけると思います。設問別正答率が50%以上の問題で誤答となったものを確認し、ここで再度の復習を行うことが大切です。

 


140字の合格言

本試験では、毎年必ず過去未出題の誰も学習していない事項が出題されます。
それでも、合格者は既知の事項で得点を積み重ねて合格点をクリアしている訳です。
模試では、それが良質のものであるほどに、本試験を踏襲しての未知の事項の出題が意図的に行われます。
復習すべき問題の選別が大切です。

 

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