年末年始は既習科目の復習に恰好の時期
例年12月下旬から1月上旬にかけては資格スクールが年末年始の休校となり、この間は社労士講座の講義も行われないこととなります。
受験生としては、比較的にまとまった学習時間のとれるこの年末年始の期間に、これまでに学習した科目の復習の固め打ちをしておきたいところです。スクール利用者の方は、10月の講座開講から3~5科目の学習を終えた頃がちょうどこの時期です。
仕事を持ちながらの講座受講は、次々と進む講義の進行に付いていくことだけで精一杯となり、過去問学習を含めた十分な復習の機会を持てないままに年末年始の時期を迎えるという場合がどうしても多くなります。
こうしたことから、スクールの講義もなく自己学習の時間を多く取れるこの時期には、既習科目の復習を行うことを推奨します。
既習科目の復習を行うことを通じて学習方法が確立できれば、それはそのまま年明けから始まる新たな科目の復習方法として、今度は通常時の生活の中でも要領よく進めていくことができるようになります。したがって、ここでの復習方法はその方法をとる理由も含めて非常に大切です。
記憶のデータベース化を念頭に置いた復習方法をとる
復習の方法として代表的なものには、過去問を解いてみる、テキストを熟読するなどといったものがありますが、年末年始の時期に行うとよい復習方法はこれらとは少し異なります。スクールの講義が休講となる約2~3週間の時期に行っておくとよいのは、情報を1か所にまとめる作業です。
作業の具体的な方法についてはChapter 3の「テキストへの情報の一元化の方法㊤・㊦」で述べますが、概要だけを端的に申せば、要するに過去問情報をテキストに転記するということです。
受験の世界で用いられている用語で言えば、「テキストへの情報の一元化を図る」、または「過去問とテキストとの突き合わせを行う」作業ということになります。
復習方法としてこの一元化作業を行う理由は、後日の学習の便のためです。
合格者は、本試験で未知の問題や正誤の判断に困る問題に直面した際にも、脳内に築かれたデータベースを頼りにして高い確度で正解肢を選択しています。この脳内データベースとは体系的に整理された状態の記憶のことで、その基となっているものは科目毎に一元化された情報群です。
合格者は本試験問題の正誤を判断する際に、拠り所とする情報網が(意図している・していないに関わらず)しっかりと整理されているから問題に正解できるのです。
したがって、ここで行う一元化作業とは、本試験での拠り所となる脳内データベース=記憶検索元となる整理された情報網を意図的に作り出す作業と言い換えることができます。
科目毎に1冊のテキストを軸として、そこに10月からこれまでに学習した科目の直近5~10年分程度の過去問情報を盛り込みます。こうすることによって、本来の目的である既習科目の復習に加えて、4月以降の発展学習期に用いる”教材作りの仕込み”ができます。
この仕込みの入ったテキストは、発展学習期以後に何度も繰り返し目にすることによってその効果を発揮します。試験会場で残像として脳裏に浮かぶようなビジュアルイメージのデータベースが脳内に出来上がってくるのです。
年末年始の期間は、この”先につながる既習科目の復習”をコンセプトとした学習に取り組んでください。
年末年始の連休明けに気をつけたいこと。
生活リズムを元に戻すことは当然として、それは、祭りの後のような感覚になって学習から長く離れてしまうことを防止することです。
年末年始に充実した学習ができた場合の「燃え尽き症候群」こそが、継続的な学習を断絶させる正念場です。
ここは注意が必要です。
冬の季節にどれだけテンションを落とさずに学習を継続することができるか?
ここが合格の1つのカギです。
直前期の畳み掛けが重要なことは言うまでもありませんが、この集中学習の開始時にどれだけの知識を有しているかが効果の違いを生みます。
冬に知識の蓄積をリセットさせないことが極めて大切です。
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