模擬試験を受けた後に振り返るべき”学習体力”
各資格スクールでは7月に入ると、模擬試験が毎週のように実施されます。この模擬試験は、得点やウィークポイント、問題の解き順やペース配分など、受験後に振り返るべき点が多々ありますが、もう1つ受験生の方に必ず振り返っていただきたい点があります。
それは、夕方5時まで集中して問題を解くということができたか?という点です。
午前の1時間20分、午後の3時間30分。この時間を集中して問題を解き続けることができなかったという方は、「学習体力をつける」ということを、これから早急に行う必要があります。年1回、しかも真夏の暑い時期に行われる長時間の試験で良い結果を出すためには、この学習体力は不可欠です。
これは社労士試験に限った話ではないのですが、一般的に言って試験というものの成績が振るわない方には学習体力のない方が多いです。机の前で、椅子に長い時間座っていることができないのです。すぐに飽きがきてしまうわけですね。
例えば、模試や答練などの問題演習の時間中に途中退出することが常態化している。試験時間中にボーッとなっている時間帯が自分の意志とは無関係に発生している。
成績上位者にこうした方は少ないです。これは1つには性格の問題がありますが、他方で習慣づけの問題でもあります。ですから、これから試験日までの日々は学習体力トレーニングを習慣づけましょう。
学習体力をつける方法
その方法ですが、まず、仕事のない日など学習にまとまった時間がとれる日には、意識的に3時間30分連続の学習時間を設定してみてください。
それでは集中力の面で効率性が…とおっしゃる方には、直前期のこの時間設定は「トレーニングとして」行うのだということを強調しておきたいと思います。試験本番で意図的なトイレ休憩を何回も挟むわけにはいきませんから、週に1回はこうした集中連続学習を取り入れましょう。
また、この時間で学習する内容は、本試験と同様に問題演習がベストです。これは何も初見の問題である必要はありません。既に1度やった模試、答練、肢別過去問(全科目を10問おきに)などで十分です。
次々に変わる科目・内容に対し、時間内に素早く頭を回転させて反応するという訓練を長時間に渡って行うことが肝心です。
但し、1度やったことのある問題で訓練を行う場合には、時間内に行う問題量を通常の1.2~1.5倍に設定してください。70問=350肢の択一本試験に対し、100問=500肢を3時間半で解くという負荷を加えて体力づくりをします。
このやり方であれば、3時間30分もの学習時間は連続してとれないという方でも、1時間で30問=150肢を解くなどしてこの学習体力養成の訓練ができます。
本試験を戦いぬける学習への転換を
学習体力とは脳の考える力の持久力に他なりません。そして、この持久力は短時間では培われません。また、本気で合格したいと思う人だからこそ、直前期に自発的にこなすことができるのが、この学習体力の養成訓練です。
スポーツの世界では、練習で試合時間以上の長さのトレーニングを積むことが通常です。資格受験の世界においても、試験の途中でバテないように学習体力をつける同様の訓練を行う必要があります。
掘り下げる学習から次々とこなす学習へ
短時間効率学習から長時間連続学習へ
この転換を直前期は意識してみてください。
本試験までの残り2か月間で大切なことは、何よりも試験に向かう気持ちを切らさないことです。
学習のできない日・時間帯にも「ここで生じた時間のロスはこうやって埋めよう。今日は帰ってからあれをやろう。」などと、頭の真ん中に試験を置くこと。
途切れない気持ちの連続から知識の連鎖が生まれます。
7月はメンタル的に最もキツい時期です。
模試の結果に大きく心をかき乱された中で挽回を期するも、残された時間はそう長くないと感じる時期。
とは言え、開き直るにはまだ早い、まだ十分な時間の残された時期です。
ここで戦意を失った過去のある方はいませんか?
まず過去の自分に負けないことです。
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