模擬試験はいろいろなことを試せる実戦訓練の場
例年、6月~7月にかけては、資格スクール等の受験機関で模擬試験が実施されます。本試験と同様に、他の受験生に囲まれた中で初見の問題を本番と同じ時間帯に解くという、まさに模擬的体験ができる場として、会場で受験される方も多くいらっしゃるでしょう。
また、模擬試験は自宅で受験する場合にも、問題を解く順番や各科目の時間配分、マークシートの塗りつぶし、答えに迷ったときの対応方法などを実際に試行錯誤してみる良き実戦訓練になります。
これらのペース配分や対応方法には、個人によって合う・合わないがありますので、いろいろと試してみる中で自分に合った方法を見つけ出しましょう。
選択肢チェックのやり方1つでミスは防げる
ここで、問題用紙への正誤チェックの仕方について考えてみましょう。本試験では、焦りや緊張から思ってもみないケアレスミスを起こすことがあります。1つ例を示します。
このような問題の場合、多くの方は1~5の選択肢の横にその記述が
★ 間違っていると思う場合 →×
★ よくわからない場合 →△
と書くなど、何らかのチェックを行ってからマークシート用紙に解答を記入しているかと思います。仮に、1→×、2→△、3→△、4→○、5→△ と判断したとします。この例の場合は4をマークすれば、自分の意図通りの解答ができます。
それでは、次の例です。
この場合はどうでしょうか?選択肢1~5の判断が【例1】と同じであったとすれば、この場合は1をマークすれば、やはり自分の意図通りの解答ができます。
それでは、次のような問題ではどうでしょう?
このような問題の場合に、各記述内容を○△×でチェックをするときには注意が必要です。例えば、最初の選択肢の横に×をチェックするとします。この×の意味を、
としたのか、または、
としたのか、
この×の意味の定義が曖昧なままですと、最後に個数を数え上げて解答選択肢を選ぶ際に大きなミスを引き起こしてしまいます。また、後で問題の見直しを行った場合にも、問題文をまた最初から全部読み返すことになって大変な時間ロスとなります。
「わかっていた問題なのに…」という後悔はしたくないですよね。このような問題では、○△×ではなく、面倒でも「含む」「含まない」などと言葉で書いておくことがケアレスミスの防止につながります。
選択肢チェックで用いる記号の意味を、○は「正しいもの」、×は「誤っているもの」、△は「正誤の判断がつかないもの」のみを示すと自分で決めておくことでミスは防げます。「含まれないもの」は、○△×のどの定義にも当てはまらないから言葉で書くわけですね。
これはあくまでも一例ですが、模擬試験を受験する際には、単に得点や自分の弱点分野の発見に意をとらわれるのではなく、こうした実戦的な解答訓練を行うように心がけてください。
模試受験によって、過去問プロパーでの知識偏重を矯正することができます。
また、初見の文章を読むのに時間がかかりすぎていることや、長時間問題を解き続ける頭の体力がないことがわかれば、今後の学習方法の見直しができます。
模試は多くの気付きの得られる、実はインプットの場と言えます。
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