部門ごとに解答制限時間を設定する
どれほど普段実力のある受験生であっても、本試験での時間管理に失敗すれば全てはそこで終わります。そこで、ここでは時間管理について考えていきます。
まず、8科目・80分で実施される選択式試験は、時間的に割りと余裕があります。労働基準法や労災保険法からの出題に時間のかかる長文のものが目につくものの、他の科目では難易度・ボリューム共にさほど重くないものも多いことから、トータルで見れば時間不足の要素は少ないと思います。
問題は択一式試験です。これは7部門(10科目)70問を210分で解く必要があることから、1問あたりにかけられる時間は、単純計算で見直しやマーク記入の時間も含めて3分までということになります。
選択肢単位で見れば、1肢あたり36秒で問題をこなしていかなければなりません。ここが最大の難関です。
時間不足を防ぐためには、制限時間を設けて問題を解くと決めておくことです。例えば、全7部門の中で1部門(10問)に25分以上の時間をかけないと決めておきます。1問あたりの時間では2分半までです。この25分以内でマーク記入を含め、解答に一通りの見通しをつけます。
この際に時間のかかる事例問題や正答率の低い個数問題は、とりあえず問題文に後で解く旨のチェックマークだけを入れて飛ばすことで構いません。とにかく、時間不足によって後の科目にある簡単な問題を落とさないことを重視します。
こうすれば全7部門70問にかかる時間は175分で、試験時間は残り35分あります。この時間で、先程飛ばした問題と解答に迷って後で見直すとした問題を解くわけです。
これらの問題は、理由があって後に回した正答の見込みにくい問題なのですから、最悪ここで時間切れとなっても試験結果の大勢には影響しません。
本試験ではこのような時間管理を実践できることが大切です。
現場での臨機応変な対応が要求される場合もある
トイレ休憩を挟む場合なども考えれば、現場での時間管理は非常に重要です。
現場判断が必要なものに当日の試験問題(択一式)のページ数があります。1つの目安としては、これが60ページ以上である場合には時間不足になる可能性が高くなるという感覚を持っておいてください。この場合は、後に回す問題を25分間の中で要領よく決めていく必要があります。
問題形式(誤り選択、個数選択など)から後に回す問題を判断するために、各部門の問題に取り掛かる最初に10問全体を見てこれを確かめ、問題文にチェックを入れておくことも有効です。これはマークミスの対策にもなります。
あともう1つ、時間配分で失敗しないために注意していただきたい点があります。それは各部門の第1問や各問題の選択肢Aに難問や長文のものがある場合に、これがトラップとなって時間をかけすぎてしまう危険性です。
このミスを防ぐには、各部門の問題の中で解きやすい問題形式のもの(例:1個の誤り選択)から解いていくこと、5つの選択肢の中で最も短い選択肢から検討していくことが効果的です。
特に後者では、短い選択肢のもののみを読んで解答が得られた場合には、他の長い選択肢を読むことなく次の問題に進むことができるため、大幅な時間短縮になります。
ここに挙げた現場対応は本試験でいきなり発揮できるものではありません。模擬試験などを通じて事前に十分な訓練を行っておきましょう。
本試験問題で1つの選択肢が7〜8行の長さのものなどは(初見のものを別にすれば)その場でじっくりと内容を把握する時間がありません。
一読して「はいはい、これね。」と大掴みできることが、時間内に問題を解く前提になっているかに思えます。
速読が本試験会場での頭の働きの擬似訓練になります。
本試験問題はゆっくりと解けば得点が上がるものです。
本試験で要求される脳の回転スピードと持久力を鍛えるためには、動画教材を使った学習では、一聴目から可能な限りで再生速度を上げて聴くことが有効です。
早くて理解ができていないと思う部分は、二聴目で速度を落として聞き直せば良いでしょう。
« 答案解答の技術に戻る