低い合格率の試験はマイナス思考では突破できない
社労士試験は合格率が例年1桁の国家試験です。(→Chapter 1「合格基準点から探る試験の難易度」参照)
この合格率を認識した上で学習をされている方にあっては、それはまさに自身で決めて始めていることに他なりません。合格率を知って「自分に合格は難しい」と判断すれば、やらないという選択肢もありうるわけです。
そこをやると決めて学習を始めたのであるならば、最初から合格を目指すことは当然のことです。
(ここでは、たしなみとしての法的知識を身につけることを第一義とした趣味的な受験は除いて考えます。)
そして、そこには自らの「絶対に合格してみせる」という強い思いが必要になります。
社労士試験は「できれば合格できればいいな」という程度の思いで合格できる試験ではありません。こうした試験であるにもかかわらず、受験生の方の中には「合格する!」という言葉とは裏腹に、内心では
「どうせ自分には無理に違いない。」
「絶対にこんなに多くは覚えられない。」
と考えている方が少なくありません。
過去の不合格体験がこうした思考や発言へと導くのでしょうか。それとも、その方が元来有しているネガティブな性向なのでしょうか。いずれにしても、このようにマイナス思考を伴った負のオーラをまとって試験を受けても、そこに良い結果は生まれようがありません。
4回転ジャンプなんて飛べるわけがないと飛ぶ前から決めてかかるフィギュアスケート選手に、それが試合で成功するわけがないのと同じです。
マイナス思考という悪癖は意識的に改める
「自分にはできない」という主旨のことを自らの言葉として口にする受験生の多くの方は、実際にはそのように考えていません。
「どうしたら良いのか?」という、解決策のアドバイスを講師に求める相談に見える話も、実のところは相談の名の下に、自らの辛い思いを聞いてもらいたいという話だったりします。
相談を受けた講師が、仮に「そんなに自分には無理だと思うのならば、何も苦しい思いをしてこの試験に時間とお金を費やすことはありませんよ。」というアドバイスを行ったとします。しかしその場合、講師には「でも絶対に受かりたいんです!」という答えが力強く返ってくるのです。
学習をする中でマイナス思考になる気持ち、そのことを人に話したくなる気持ち、それでもなお受かりたいと思って結局は学習に戻ろうと考える気持ち。いずれもよくわかります。
しかし、それで元に戻って学習を継続するのならば、最初から「試験に合格できる!覚えられる!いずれ理解できるようになる!」というポジティブなイメージを強く持って取り組みましょう。
もともとの性分からどうしても悲観的な思考になりがちだという方は、プロスポーツ選手の書いた‟プレッシャーに打ち克つ方法”などの書籍を、時間のあるときに読むことも良いと思います。
これは厳しい物言いになりますが、日々の生活の種々の面で「どうせできない」というネガティブ思考で物事を考える癖のある方は、ビジネス論の話のみならず資格試験の世界においても成功を収めにくいです。「どうせ…」という考え方は今すぐに改める必要があります。
⇒ やるからには成功イメージを強く持つ
⇒ 実際に成功する
この流れに相容れないマイナス思考を自身で持ち込まないことが大切です。
受験申し込みを済ませて受験することを決めたならば、自分を卑下することは無益であって慎むべきです。
自分に記憶力や判断力がないと本気で思うならば、それらが問われる低合格率の試験などに挑む必要などありません。
愚痴をこぼしながら物事を斜に構えて見ても、正答は真っ直ぐに見えてきません。
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