テキストの使い方には挫折防止のための工夫が必要
Chapter 2の「独学者の学習教材の選択はここに注意㊤・㊦」に続き、次は選択した教材をどのように使って学習を進めていけば良いのかについて書いていきます。
まず、学習の中心となるテキストですが、これはどれを選択したとしても内容的には相当のボリュームがあります。
情報量がコンパクトないわゆる一冊本を選択した場合は、記載されている内容の殆どが重要なものであることから、最終的には全てをマスターするつもりで学習に臨む必要があります。その一冊本でもページ数は非常に多く、難解な内容が細かい字で脚注までびっしりと書かれています。
これを普通にベタ読みで進めるとなると、嫌になって学習を挫折することは必至です。したがって、独力でテキストを読みこなす上では、使い方を工夫する必要があります。
過去問を通してテキストを読むということ
独学者がテキスト学習を進めていく上で最も注意すべき点は、テキストに過去問をベースとした補足を行い、記述されている内容に強弱をつけていくことです。
独学による受験対策の大まかな進め方は次の通りです。
★ 法改正、統計・白書対策のテキスト、練習問題を基礎学習期と同様の方法で進める
★ 予想問題集などで演習を行った場合は、不明瞭な点を⑤で確かめる
テキストは最初から熟読していくのではなく、まずは書いてある内容の確認に留めておき、後から過去問情報によって規定された箇所を中心に熟読していきます。
最初からしっかりと読んでいこうとしても、独学では理解に時間がかかりますし、挫折率が高くなりますので、最初はテキストを”読む”のではなく”見る”のです。
次に過去問の出題箇所と論点のマーキングを行い、その箇所を中心に熟読することで知識を身に付けていきます。そして、ある程度の実力がついてきたところで、最後に知識整理と漏れを防ぐために全体を通して読みます。
眺める→見る→読む→読み込むの段階を追った繰り返しを意識するようにしてください。
後で見にくいテキストにならないようにする
③にある過去問論点の補足の具体的なやり方については「テキストへの情報の一元化の方法㊤・㊦」の項に詳しく書きますが、独学者がこれを行う場合には1つ注意が必要です。
市販のテキストは書き込みの十分な余白がありませんので、補足はキーワード(語句)のみとし、あとはアンダーラインに留めておくこととしましょう。必要以上のマーキングは見辛くなりますし、何が重要事項かがわからなくなります。
また、重要論点を浮き彫りにするという意味では、書き込みは青色のペン(赤よりも見やすいです)1色で十分です。フルカラーのテキストでは逆に黒色で書く方が見やすいかもしれません。
その他の注意点としては、無料で視聴できるWeb講義やCD・音声がある場合には積極的に利用すること、法改正による追補情報については忘れずにフォローすることなどです。
このテキストの使い方については、資格スクール利用者においても同じであるものとお考え下さい。
国年→制度の仕組みを理解すること以上に、試験問題に正解することが難しい
厚年→制度の難解な部分や細かな部分はそれほど出題されず、意外に得点できる
厚年の難解さに戦意を喪失する方が多いですが、続ければ得点力はつきます。
独学者の方は、肌感覚と得点力は比例しないことを知っておいてください。
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