最終暗記事項リストアップの方法と効果
㊤の項から続きます。
超直前期の学習(総復習)の中で行う最終暗記事項のリスト化作業について、具体的に説明します。まず初めに、この作業は、
★ 何度やってもすぐに忘れてしまう頻出暗記事項(特に数字)
を対象として行います。例えば、雇用保険法の所定給付日数、健康保険法の高額療養費算定基準額、確定拠出年金法の掛金額、各科目に登場する書類提出の期限などです。
これらは、試験問題として出題された場合に、単純に覚えているかいないかが正誤の判断に影響を与えるという点で最も恐い論点です。最後にもう1度見ておくべきだったと試験中に悔やんでも悔やみきれないのがこの単純暗記事項で、選択式試験ではまさに合否を分ける論点になります。
次に、ここでリスト化しておく事項は、
に対象を限定して行います。不安だからといって全科目のテキストの太字部分を対象にこのリスト化作業を行うとなると、時間が足りなくなる上に、1つ1つの記憶もおぼろげなものになります。ここでは思い切って対象を絞ることが重要です。
模擬試験の解説を読み、まだ覚えきれていないものについてテキストの該当部分の記述で確かめてから、その記述のあるページ数と項目名を紙(何でもよい)に書き留めておきます。このリストに基づいて最終暗記をまとめて行うわけです。
リストアップしない項目については、もう試験日までにその知識について見返すことはないものだと考えて、その場で暗記する(覚えていることを確認する)ことを原則としてください。
逆に、今この場で覚えても試験時間中に覚えている自信のないものについては、ここで無理に覚え込もうとする必要はありません。だからこそ、最終暗記に廻してリストアップしておくのです。
実は、このリストアップ事項を選別するという作業そのものが、その対象内容を強烈に脳に刻み込む体験として、記憶効率を高めることになります。結果として、暗記すべき対象内容を模擬試験の問題・解説、テキストの太字部分と何度も繰り返し見ているわけです。
あと1回だけ、最後にもう1度というしつこさが大切
このリストアップ作業を含めた一連の模擬試験学習は、2~3時間といったまとまった時間を単位として行うようにしてください。このことによって勉強体力=脳の持久力を訓練します。この意味で、細切れ時間を活用した学習は適しません。
また、この暗記を試みる時期ですが、
に行います。
例えば、○○日以内、△△円といった数字などは、人から聞いた携帯番号などと同じで誰もがすぐに忘れてしまうものです。試験前日、本試験の朝に会場へ向かう電車やバスの中、試験会場に着いてから試験監督の指示が出るまでの間に見直しておくことを前もって決めておきましょう。
最後に心構えとしては、「とにかく試験時間内だけ覚えていれば、あとはすぐに忘れてしまっても良いのだから、試験開始の時間ギリギリまで!しつこく!泥臭く!」という意識を持つことです。
「あと1回だけ、最後にもう1度」という姿勢=合格への執着心を持って実行してください。
いかに詳細な解説がなされている問題集であっても、解説を読むだけで理解や知識整理が図れるのは、ある程度の力を持った方だけです。
これは模擬試験に限らず、問題演習全般に言えることです。
初受験の方や択一式で30点台の方は、同じ知識をテキストの記述で確認することが知識体系の構築に繋がります。
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