講師経験からその方の合格可能性がわかる?
講師として毎年多くの受験生の方と接していることで得られる感覚というものがあります。
この感覚は主観的なものではありますが、これを包み隠さずに明らかにすることにはそれなりの意義があると思っています。なぜならば、そこにはこれから合格を目指す方にとっての目標や反面教師となりうるものがあると考えるからです。
このChapterの「合格できない受験生の無自覚要因㊤」、「合格できない受験生の無自覚要因㊦」で書いたことがそうでした。
試験になかなか合格できない方、短期で合格される方に多い態様といったものの感覚。ここでは、試験に強い・弱い人の特徴について書いてみたいと思います。
日常生活での態様が、学習や試験での姿勢に直結する
合格者の方の学習方法や使用教材、合格までに要した学習時間などは人それぞれです。したがって、ここでの受験生の態様というのは、このようなやり方をした方が合格しているという話ではありません。
合格者の多くの方に対して私が抱いている印象。それは、何事に対しても雑でないということです。受験学習への取り組み姿勢に限らず、話し方や文章の一言一句に至るまで「行き届いている」といった印象を受けます。
この方はしっかりとした方だな。このように強く感じる方には、その後比較的早く合格されている方が多いです。逆に、雑だなと感じることが多い方からは、その後に合格された旨の一報を耳にすることが少ない印象です。
どのような態様を雑だという風に感じるか?それは、文章の1つに端的に表れます。あなたが普段の生活で受け取るメールで、その発信者に対して抱く印象と同じです。
全体として何を言っているのかがよくわからない文章。助詞の使い方が違うことで文法的に奇妙な文章。
こうしたものの多くは、送信する前に自分で1度見直すだけでその不備に気づき得るものですが、そのほんの少しの意識がない点に非常に雑なものを感じます。
あまりにも多い誤字・脱字、1文が長すぎる文章などもそうですね。行き届いていないと感じる文章にその方の粗さを感じるのです。
こうした態様は、「まあ、大体こんな感じでいいかな」というテキトーな自己判断になって日頃の学習にも表れます。
雑な部分をなくして、何事にもきめ細かに対処する
試験では、難解な表現の読み取り、選択肢の比較衡量、既存の知識からの類推判断などできめの細かさが求められますが、合格される方の多くはここが行き届いています。
また、試験に強い方には石橋を叩いて渡るといった性格の方が多いです。だから、ケアレスミスが非常に少ないです。
ケアレスミスが多い原因は、問題文をしっかりと読んでいないことにあります。
慎重さに欠ける。思い込みが激しい。気分にムラがある。こうした態様が問題文の見落としへと繋がり、また、これが対人対応にも表れます。
調べればすぐにわかることを、そうしないで人に聞いてくる。どうにもならないことに対し、自分の希望や相手への要望を口にすることが多い。こうした方は、社労士受験において、かなり苦戦されているように感じます。
試験では、慎重さを持って緻密に努力できる方、今あるものに自身を適合させられる方が強いのです。
試験に合格するためには、日常の生活の中から雑な部分をなくしていくこと。このことが最も大切になります。
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